達谷窟

陸奥の国、達谷窟には悪路王という鬼神が住んでおり、朝廷に逆らい庶民を悩ませていた。その悪路王、鈴鹿山で田村麻呂に討たれた大嶽丸を阿修羅王より託された顕明連によって、黄泉返らせ、日の本魔国となさんと企む。一方征夷大将軍坂上田村麻呂は帝より悪路王討伐せよとの勅命を受け、信濃の国へと入る。そこで大田切に住む、十三所の王子神の化身が討伐隊に加わり、平泉 達谷窟に住む悪路王とその手下との戦いとなる。神明の加護のもと鬼神悪路王とその手下を倒した。そこに悪路王のもとに身を寄せていた鬼神大嶽丸が現れ、顕明連の力を手に鈴鹿山の仇を討たんと田村麻呂に襲いかかる。力に押された田村麻呂に大通連、小通連を持つ鈴鹿御前が現れ、毘沙門天から授かった「堅貪」を渡し、その御太刀の力により再び大嶽丸を討ち倒す。悪事の限りを尽くした大嶽丸の首は、宇治の宝蔵に納められ「日本三大妖怪」一つとして封印されている。

顕明の 力にのまれし 亡骸の 戻りし厄魔を 払い召させん(演目「田村」続編)

(2019白銀の舞 大屋神楽社中)